アメリカの英語学校に通っても英語はものになりません。
留学といっても、外国人向けの英語学校に行くのと、正規に大学に進学するのは全く内容がちがいます。これを混同してはいけません。
多くの人は高校卒業したばかりですと、英語力に自信がないのでついついまずはアメリカの英語学校に行かなければと思いがちです。しかし、アメリカの英語学校の実態は日本にある英語学校よりもっとひどいものです。
学校の内容は日本のどこにでもある英語学校といっしょです。そこに入る人は、だいたい日本人か韓国人が中心です。もちろんアメリカ人はいません。そもそも日本の中学や高校で英語を勉強したのにものにならず、日本の英語学校にちょっと通っても、やはりものにならなかった人が場所をアメリカの英語学校に変えてもやはりものにならないのです。
ホームステイを理想化すると、大きな幻滅がまっています。
もう一つの留学の問題はアメリカでの滞在先です。
日本人はどうしても留学とホームステイを一緒に考えがちです。しかし、アメリカの大学生活は原則として寮生活です。アメリカでは寮生活をして人間関係の複雑さを知り、コミュニケーション能力をみがくことが若い人にとって大変重要と考えられているからです。
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ホームステイは外国の家庭に入り、簡単な言葉と文化に親しもうというものです。ただ、現在ではアメリカの多くの家庭はお母さんが先生だとか弁護士だとかで、仕事を持っていて忙しく、自分の子供でも大変なのに人の子供など預かれないのです。しかも今のホームステイは各家庭にいくらか費用が支払われます。従って老夫婦のみの家とか、お母さんと子供だけの母子家庭のような家とかで、部屋があいているので、誰か入ってもらおうという感覚です。
英語学校では日本人だらけで、日本にいるのと変わりありません。
これを読んでいるあなたはきっと日本でそれなりに個室を与えられ、お母さんに面倒をみられていて、少しウルサイと思いながらも自由に暮らしているはずです。ところがアメリカのホームスティとなると、さびしい、不自由、気を使う、食事がまずい、などといろいろな問題が起こってきます。英語も「食べる」「いらない」程度の英語のやりとりです。もっとましな英会話を学びたいと思っても、それほど相手になってくれません。もちろん朝からアメリカの経済について英語で議論などしません(しようにもできませんが)。そして、学校に行くと英語学校には日本人が大勢いて、みんな楽しくアパート暮らしをしています。たずねて行くとなつかしいカレーやすきやきなどを食べさせてくれます。「こっちに越してこいよ」と誘� ��れ、かくしてアパート一棟をぜんぶ日本人と韓国人が占領し、車を買って、日本人どうしで焼肉屋や寿司屋に行くのです。日本にいるのと何ら変わらず、英語力など伸びるわけがないのです。
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アメリカの大学の寮生活でこそ、英語が身につくのです。
さて前述したようにアメリカの4年制の大学生活は寮生活になります。どの大学でも留学生は数%〜10%くらいです。従ってルームメイトはアメリカ人です。一人部屋はめったにありません。大きな大学になると寮もビルディングで、寮内では男女一緒に住んでいることも少なくありません。ただし、ルームメイトは同性になります。
キャンパスは広大で端から端まで歩くと30分から1時間かかります。ゴルフ場を持っている大学もありますし、もちろんテニスコートもたくさんあって、使用の順番待ちなどありません。図書館は夜中の12時まで開いていて、ちょっとした喫茶店、大学の教科書やグッズを売っているショップもあり、キャンパスはほとんど小さな村か町のようです。食事は3食を学食で食べます。味はたいしたことはないのですが、量は半端ではありません。コーラやアイスクリーム、ケーキなども食べ放題のため、キャンパス中では「I'm on a diet.(ダイエット中)」という言葉をよく耳にします。一番最初にこの言葉が身にしみこみます。英語はそうやって身体に入っていくのです。もし、英語に自信なく、アメリカの大学での勉学の仕方もよくわからないという人にはアメリカの大学に入り、その寮生活に飛び込むことをすすめます。その際、小規模大学がいいでしょう。私立のリベラル・アーツで小規模の大学ですと、先生も、周りのアメリカ人も、留学生に対して親身になってくれるという利点もあるのです。
書籍を教えるためにどのように
留学生というだけで、あなたはアメリカでは貴重な存在。
私立大学は基本的に多様性にとんだ生徒構成を好みます。勉強の内容も、たとえば「リンカーンが奴隷解放をしたのはいつか」という暗記式の勉強より、「あなたがリンカーンだったら奴隷解放をしたどうか」などという分析力、判断力、決断力を養成する勉強が中心です。そして、こうしたテーマのもとに意見を交わすというふうな教育です。ですからいろいろと変わった学生が入ってきて、多様な意見が交わされるほうが、クラスが活性化すると考えているのです。従ってあなたは「日本人」というだけで、毛色が変わっているということで、貴重な存在になるのです。また、学長や入学の審査をする Admissions Office のトップの人に外国好きな人がいたりしたら、それこそ、そういう人たちが「留学生をとれ!!」の号令をかけてくれて、留学生に奨学金まで用意してくれたりするのです。
そういうチャンスをくれる大学を探して入学し、アメリカの生活や大学についていく方法や英語力を身につけたら、アメリカの大学でトップクラスの成績をとり、一流大学院に進学することも可能です。途中で大規模大学に単位を持って編入することもできます。アメリカは選択肢が広いのです。
アメリカに進学するなら中流階級を見て来なさい。
若いあなたはまだ社会をあまりよく知りません。あたり前です。日本以外の国は日本よりもっともっと格差があり、アメリカでも上はメイドさんがいる家から、下は年収が家族で10,000ドル以下などという家庭もあるのです。
やはりその国を支えているのは英語で Upper Middle と言われる中流階級の人達です。一生懸命働いて家庭を持ち、子供たちを大学を出るまでは何とかヘルプして一人前にしたいと考えている人達です。
あなたにとってアメリカでの初めての環境がアメリカという国を見る価値基準になることは当然のことです。鉄砲でバンバン人を撃つアメリカでもなく、スリや強盗の多いアメリカでもなく、何億円の給料を手にする人の集まるアメリカでもなく、人に親切で、まじめで、国を思い、家族を思い、平和を望んでいるごく普通の人達の子弟が集まる大学で、まず自分の一歩を始められるのはとてもラッキーなことです。それが本当のアメリカなのです。アメリカの小さな私立の大学にはそういう人達があふれています。
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